integrated_report_2022

タキロンシーアイグループの統合報告書2022です。


>> P.9

中計1年目、行動の変容2021年4月にスタートした中期経営計画(以下、中計)「変革への決意CX2023」の初年度のレビューからお話しさせていただきます。2021年度は、前年度のコロナ禍による需要低迷の反動を受け、第1四半期に売上面・利益面ともに計画を大幅に上回る好調なスタートとなりました。しかし、新型コロナウイルスの感染再拡大や大幅な原材料高の影響が徐々に現れ、年度後半においては不安定な国際情勢を背景にエネルギー価格の高騰に拍車がかかり、化学原料や非鉄金属など様々な材料のサプライチェーンが滞ったことで、当社の事業も少なからず影響を受けました。様々な難題に直面しつつも、最終的には新設住宅着工戸数の回復、製品値上げ前の駆け込み需要や半導体業界の活況などを受けて、業績に関しては増収増益となり、全ての定量目標を達成する順調な滑り出しとなりました。定性面についても、グループ内再編による販売体制の合理化や事業再編、循環適応型素材事業推進部・DX戦略推進部・サステナビリティ戦略部の設置をはじめとする機構改革など、次への布石」となる施策を実行することができました。6つの重点実施項目」2つの成長原資」「2つの支援体制」についてもそれぞれ進展しつつあります。中計初年度としては十分な成果を残せたと考えています。P.17中計2年目となる2022年度に入り、足元の社会・経済環境は依然として不透明であり、リスクを先読みしながら慎重に対処していかなければならないと気を引き締めています。中計「CX2023」において「変革」を打ち出して1年。私たち経営陣は、社会起点でビジネスを考えるサステナビリティ経営を軸に、2030年の長期ビジョン達成に向けてタキロンシーアイグループの組織の在り方を見直してきました。同時に、この1年間で、社員一人ひとりの行動も変わってきたように感じています。その象徴となるのが「参画意識」の高まりです。例えば、2021年度からスタートした中計・マテリアリティ管理委員会は、私が委員長を務める社長直下のタスクフォース組織ですが、その管下にはテーマごとの分科会とワーキンググループが20以上設置されています。社内横断的に様々な部門から多様なメンバーが集結し議論を重ねており、新製品・新技術分野や海外展開、環境配慮型製品開発等において具体的な成果を挙げつつあります。また、当社は以前から様々な清掃活動やボランティア活動に取り組んできました。コロナ禍で活動縮小を余儀なくされていましたが、2022年に入ってから開催したチャリティーイベント「WFPウォーク・ザ・ワールド2022」やクリーン活動「水辺のクリーンエイド」には、これまでの数倍規模の社員が参加してくれるようになりました。P.64以前に増して能動的にアクションを起こす姿が多く見られます。中計のスローガンとして掲げた「変革への決意」が刺激となり、行動の変容に結びついていることがとても頼もしく、私自身も奮起させられます。このポジティブな変化は、社員の皆さんが仕事を“業務”ではなく“社会における自身の役割”と捉え直し、従来の発想をアップデートしようとしていることの現れでしょう。昨年、グループ企業理念を再整理し、実現したい企業文化:重ねていく誇りと変革する勇気』を掲げました。現状に甘んじず自らを常に変革し続ける風土をあらためて根付かせたいという思いを込めたものです。これは、タキロンシーアイグループが100年以上にわたり積み重ねてきた挑戦するエネルギーの源泉でもあります。社会に数多くある課題を見つめ、自分たちに何ができるのか既成概念を取り払って考え、手を動かし、再び社会の声を聴く。私たちはこの不断のサイクルを通じて、お客様との対話の中から次の製品、新しい価値を生み出してきた「社会課題解決型企業」の自負があります。そして今、持続可能な社会の実現」という大きなテーマのもと、当社グループが果たすべき役割がはっきりと見えてきました。自らが長期的・持続的に成長していくことが社会全体のサステナビリティに繋がる。トップメッセージ8


<< | < | > | >>