integrated_report_2022

タキロンシーアイグループの統合報告書2022です。


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Q5.サステナビリティ経営の深化に向けて果たすべき役割とは何か、考えをお聞かせください。高坂当社におけるサステナビリティ経営とは、企業理念である『人と地球にやさしい未来を創造する』ことを目指し、社会起点でビジネス・経営を考え、ステークホルダーとのコミュニケーションを重視する経営を意味します。当社はプラスチック製品を製造・販売するメーカーとして、プラスチックの有用性や可能性を追求しながら、社会のニーズに応える環境配慮型の商品や、異常気象、インフラ老朽化といった社会課題の解決に役立つ製品を数多く開発してきました。けれども、当社のビジネスはBtoB中心のため、これまでそういった取り組みを社会に広く紹介できていなかったように感じます。プラスチックの有害性が社会問題となっている現状を踏まえ、今後は、プラスチックを扱う企業としての成長ビジョンを積極的に社外に発信していくことが当社の企業価値向上に有効ではないかと思っています。貝出サステナブルな企業に必要な条件は、3つあると私は考えています。1つ目は競争力を持っていること。2つ目は環境変化に柔軟に対応できること。3つ目は「働きがい」があること。これはどの業種でも全く同じだと思います。タキロンシーアイグループは、会議の様子や資料などから、とてもきめ細かく仕事を積み上げている企業だと感じました。ベースはしっかり築かれていますので、持続的成長に向けてさらなる進化を遂げるために、プラスチック加工業で経営者を務めた経験を活かして、執行側の取り組みを後押ししていきたいと考えています。加えて、「安全は全てに優先する」という姿勢を、メーカー出身者として意識的にお伝えしていきたいと思います。職場全体で安全意識を徹底し、一つの事故もゆるさないという覚悟を、日頃の職場運営の中であらためて浸透させる。こういう着実な地固めを通じて、バランスのよい経営をサポートしていきたいと思います。荒木サステナビリティ経営のポイントは、「長期的な視点を持って経営にあたること」に尽きるのではないでしょうか。100年を超えるタキロンシーアイグループは、従来の日本型経営の美点である「長期視点」のマインドを受け継いでいると感じます。その中でやはり課題となるのは、プラスチックの環境負荷・環境貢献に対するビジョンを明確にすること、女性の参画を含めた経営基盤の進化、ポートフォリオの見直しだと考えます。貝出さんもおっしゃったように、最も重要なのは長期的に競争力を維持していくことですから、このために何がネックになるのか、将来どのような方向に向かうのか、シミュレーションしながら議論することが必要です。ガバナンス委員会の活動を通じて、少しでもお手伝いができたらと思っています。羽多野当社のサステナビリティ経営が進むべき方向や課題は皆さんが述べられたとおりだと思います。サステナビリティ経営の考え方については、サステナビリティ戦略部を中心に、企業理念、サステナビリティビジョン、行動指針、マテリアリティの特定などを通じて、既に体系立てて整理されています。現在は、外部環境の変化やSDGsへの貢献を踏まえて、マテリアリティの見直し等を随時行いながら、社会起点での取り組みを加速していくフェーズにあります。最も重要なことは、グループの全社員がこれらのポリシーを共有し、一体となって行動していくことだと思います。当社グループが築き上げてきた伝統・文化に誇りを持ち、社会への貢献と将来に対する夢を持ちながら、一人ひとりが具体的に行動していく、それがサステナビリティ経営を実現していくために必要ではないかと思います。そのために、委員会での活動を通じて、我々社外役員が率先して将来に向けた議論を仕掛け、未来を拓いていく後押しをしていきたいと思っています。60


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