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ステークホルダーの皆様の声に耳を傾けるサステナビリティ経営の重要課題の一つであるカーボンニュートラルの実現と気候変動対応についても意欲的に取り組んでいます。2021年度までのCO2削減実績が順調に進み2023年度のCO2排出量削減のKPIを前倒しで達成したことから、2022年度上期にカーボンニュートラルの目標の見直しを実施しました。2050年カーボンニュートラル(実質排出量0)を目指すことを表明した上で、その中間目標である2030年度に排出する温室効果ガス(GHG)削減の目標については従来目標を上方修正し、Scope1・2については2018年度比35%削減、Scope3についてはサプライチェーン全体での排出量削減に取り組むものとしました。自社の事業活動において工場使用電力を徐々に再生可能エネルギー由来に切り替えながら、サプライチェーン全体を通じたCO2排出量の管理を進めます。また、気候変動対応については2021年5月のTCFDへの賛同表明を経て、2022年9月にはTCFDの枠組みに沿った気候変動がもたらすリスクを精査し、戦略・シナリオを開示しました。P.39課題は、成長戦略と環境対応をどのように両立させていくかということです。環境対応が単なるコストとして利益を圧迫し、成長を阻害するようなことは望ましくありません。しかし、中長期に見てリターンがあれば、環境“投資”として有意義な支出になり得ます。ステークホルダーの皆様から求められているのは、社会のサステナビリティと自社の持続的な企業価値向上の双方を追求することだと認識していますので、投資と成果のバランスを見極めながら進捗させていきます。2022年4月、サステナビリティ委員会とサステナビリティ戦略部を立ち上げました。委員会が俯瞰的かつ長期的なサステナビリティ経営の戦略立案を行い、戦略部は実行のマネジメントを担います。日々変わりゆく世界情勢の中で、当社が取り組むべき重要課題も変わっていきます。サステナビリティ委員会・戦略部には、社外の声に耳を傾け、常に新鮮なマテリアリティを意識するようお願いしています。既に、人権対応や生物多様性といった新しいテーマへの取り組みも動き始めています。サステナビリティ経営とは社会起点でビジネス・経営を考えることであり、社外との繋がりを重視し、ステークホルダーの皆様と対話を重ねることが不可欠です。ここで得られたご示唆を、マテリアリティや中期経営計画、日々の事業活動の改善に活かしていくことが企業価値向上に資すると考えています。P.15さらなる「変革」を推し進め、中期経営計画の着実な達成と「タキロンシーアイ2030ビジョン」の実現を目指します。10