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気候変動問題への対応タキロンシーアイは気候変動問題を重要課題の一つとして挙げており、2021年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)へ賛同を表明しました。気候変動問題に関連する事象を経営リスクとして捉え、温室効果ガス削減」や「環境貢献製品の開発、提供」などを積極的に推し進めるとともに、新たな機会を見出し、企業価値向上を目指します。今後はTCFD提言に沿って気候変動が事業活動に与える影響を分析・評価し、複数のシナリオに基づく対応策を策定し、事業のレジリエンス向上を図るとともに、これらの取り組みをステークホルダーの皆様により分かりやすくお伝えできるよう発信していきます。TCFD提言への取り組みガバナンス戦略ガバナンス体制の構築として、俯瞰的かつ長期的な視点で全体統制を図るサステナビリティ委員会を設置しています。体制、役割は以下のとおりです。(体制)社長を委員長とし、委員は経営会議メンバーとし、年2回以上開催(役割)気候変動による各事業で特定したリスクと機会の評価進捗のモニタリング情報開示・事業計画への組み込み中長期的視点で本リスクおよび機会への対策を拡充・推進気候変動に関連する課題を含む重要決議事項は、サステナビリティ委員会を通じて取締役会に報告し、取締役会の監督が適切に図られる体制を整えています。TCFDプロジェクトチームを発足し、2022年度は以下のとおりシナリオ分析を実施しました。・030年、2050年を時間軸とし1.5℃、4℃上昇した場合のリスクと機会を特定し、影響要因、影響要素、事業影響評価の検討を完了させ確定。・務影響評価を実施するための関連パラメータおよび算定式の特定に向けた検討を実施。今後は、シナリオ分析の対象カテゴリーの拡大および分析の高度化、且つ、精度の高いシナリオ分析を実施し、開示情報を充実できるよう進めていきます。また、明確化されたリスクと機会は、各事業の環境戦略に反映させ、環境目標、実行計画に落とし込み、リテラシー向上、リスク管理に関わる施策への対応状況などのモニタリングやフィードバックが行えるプロセスの構築を目指しリスクの低減と機会の確実な獲得に繋げていきます。リスク管理指標と目標企業の抱えるリスクを評価したうえで「重要リスク」として可視化し、年度単位で組織的にマネジメントを実施、さらに、損失等の回避または低減を図る「リスク管理体制」を整備、運用しており、当該リスクが顕在化した場合においても、影響を最小限に留める対処を検討、実施しています。気候変動問題につきましても、リスク管理体制の中で管理、シナリオ分析で特定されたリスクと機会の具体的対応策の検討と推進を行っています。環境ビジョンにおいて、2022年度「CN2050/2030ビジョン」を新たに掲げ、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指しています。また、2050年までの中間地点の2030年をマイルストーンとし、気候関連のリスクと機会に対して対策を講じるとともに、2018年度比でScope1・2で35%削減を目標値として取り組んでいきます。2050年度室効果ガス排出量実質ゼロ2030年度cope1・2:35%削減(2018年度比)41タキロンシーアイグループ統合報告書2022